田中滉人選手、第15回大阪ワイン杯優勝!
- Leonard Brinkmann
- 6月26日
- 読了時間: 5分
柏原で素晴らしい一日となりました!
当日は晴天に恵まれ、真夏の大阪とは思えないほど過ごしやすい気候。毎年大阪を襲う厳しい暑さをご存じの方なら、この快適さをきっと実感していただけたことでしょう。
幣倶楽部で最も歴史の長い大会シリーズ「大阪ワイン杯」は今回で第15回を迎えました。今回も日本人・海外選手がバランスよく参加し、安堂駅から徒歩約8分(柏原駅からは徒歩約15分)という立地にもかかわらず、多くの方に足を運んでいただきました。ぶどう畑や古民家、お寺、神社に囲まれた歴史あるワイナリーでチェスを指す・・・そんな特別な雰囲気も、この大会ならではの魅力です。

大会は国内レーティング対象の6回戦で行われ、午前3ラウンド・昼休憩を挟んで午後3ラウンドというスケジュールでした。ワイン杯では、チェスの準備だけでは十分ではありません。周辺にはコンビニや自動販売機が少ないため、昼休憩に買いに行くよりも、あらかじめ飲み物や昼食を持参することをおすすめしています。

印象に残った対局
今回は私(レオナルド)も、アービターとしての役割を務めながらプレーヤーとして参加しました。対局中も、裁定やサポートが必要になるたびに各盤を走り回ることになりました。
第1ラウンド: 初戦ではディリヤール選手と対戦。私は戦術的な手順で中央のポーンを獲得し、スペースでも優位に立ちましたが、彼は受けに回ることなく積極的に駒をキングサイドへ集結させ、攻撃を開始しました。最後は連続チェックによる引き分けに持ち込まれました。
第2ラウンド: 数多くの激戦の中でも、メロディ選手が白番でジンフェイ選手に勝利した一局は特に印象的でした。
スコッチ・ディフェンスから始まり、両者とも自然な駒配置で序盤を進めます。中盤ではMメロディ選手がRf3-h3というルークリフトを決行し、hファイルでの攻撃を狙いました。
常に積極的な手を探し続けるメロディ選手らしい戦いぶりが、この対局でも光りました。一方のジンフェイ選手はナイトを犠牲にして中央のポーンを獲得し、eポーン・fポーンを前進させながら反撃を狙っていたように見えました。しかしメロディ選手は的確な駒交換を選択し、相手の攻撃を封じ込め、危なげのない勝勢へと持ち込みました。
第3ラウンド: トップボードではメロディ選手と、後に大会優勝を果たす滉人選手が対戦。この一局は最終順位を左右する重要な一戦となりました。
序盤から滉人選手は両ビショップをフィアンケットする布陣を採用し、メロディ選手はモダン・ディフェンス(あるいはピルツ風)のセットアップで応戦。長い間互角の戦いが続きましたが、最後は滉人選手が勝利を収めました。

昼休憩を終え、大会はいよいよ後半戦へ。残り3ラウンドとなっても、まだ多くの選手に優勝の可能性が残されていました。
第4ラウンド: 日本旅行中だったマーク選手は、この大会のためだけに東京から飛行機で駆けつけてくださいました(本当にありがとうございます!)。第4ラウンドでは宏樹選手との56手に及ぶ熱戦を繰り広げ、大会屈指の長局となりました。
中盤では互いに駒がぶつかり合う複雑な局面となり、どちらも一歩も引きません。戦いが落ち着いた時点では宏樹選手が駒得となり、勝勢にも見えました。しかしマーク選手は粘り強く実戦的な問題を投げかけ続け、ついには駒を取り返すことに成功します。
その後は双方ルーク2枚・ポーン6枚ずつのエンドゲームへ。白の後方ポーンが弱点となり黒が指しやすい局面でしたが、最後は優勢だった宏樹選手が時間切れとなりました。
最後まで見応えのある素晴らしい一局でした。

第5ラウンド: このラウンドにも見どころは数多くありました。
第1ラウンドでメロディ選手に敗れたジョナサン選手は、その後3連勝を飾り、トップボードで滉人選手との対戦を迎えます。
果たして番狂わせは起こるのでしょうか。
滉人選手は1.g3と指し、今回も序盤からキングサイド・フィアンケットによって得意な形へ持ち込む意図を明確にしました。ジョナサン選手も最後まで粘り強く戦いましたが、滉人選手の連勝を止めることはできませんでした。
第6ラウンド: 最終ラウンドのトップボードでは、ここまで全勝の滉人選手と、唯一の敗戦がメロディ選手戦だったジンフェイ選手が対戦。
お互いに勝機を探る緊張感のある対局となりましたが、最後は引き分けに合意。熱戦続きだった大会を締めくくる、落ち着いた結末となりました。
優勝は5.5/6という素晴らしい成績を収めた滉人選手。文句なしの完全優勝でした。
準優勝は大会後半で見事な追い上げを見せたジンフェイ選手で、4.5/6。
3位争いは最後まで接戦となり、メロディ選手・マーク選手・レヨルド選手がともに4ポイントで並びましたが、タイブレークの結果、メロディ選手が表彰台最後の一席を獲得しました。


そして何より嬉しかったのは、参加者全員が大会を楽しんでくださったことです。
大会後には、「今年はチェス960大会やバグハウス団体戦も開催してほしい」という声も多く聞かれました。
さて、どんな大会を企画できるでしょうか。どうぞお楽しみに!









